大嫌いです、たぶん本気で


ギシ…と軽くベッドが軋んだ。

それは先輩がちょっと動いただけだったのだけれど、何故か私は思わず固まってしまって。


ああ、もう、馬鹿だ。


私、馬鹿。


「さくら?」


「……はい」


「何もしないよ」


「…分かってます」


先輩が無理に手を出すような人じゃないことくらい。

どれだけ一緒にいると思ってるんだ。


……半ば強制的だけど。

私は、一緒にいたくないけど。


「よしよし」


一緒に、いたのだから。


「……セクハラです」


「えー!これも?」


「当たり前です」


髪とて私の一部なのだから。




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