迷走ガール!!
スタートライン
まんまと騙された私…
そして、契約書にサインをしたしかも自分の親指を印鑑代わりに
二人はというと、
「美那、まず何からする?」
「やっぱ部屋の片付けじゃない?」
というふうに勝手に決められております。
「私の部屋ですよ?ここ…」
そこに割って入る私
自分の家なのになんだか違う所に来た気分だ。
「知ってるよそんなの〜さぁ!片付け片付け〜」
と、どっから持ってきたのか段ボールにバンバン詰め込んでいくあいか。
まぁ私も気分変えなきゃ!
「っておいおいおい、それはやめてぇ!私が初のバイト代で買った完全予約で生産限定のDVD〜!あー美那が持ってるそのフィギュア!超レアなんだからそれも駄目ぇー!」
そう簡単に切り替えられるはずもなく、涙目になりながら二人にすがり付く。
「「そんなんじゃ、駄目!」」
二人に怒られてしまった…さっきから思ってたんだけど何この二人のシンクロ率、めっちゃ揃ってない?
「だって、私の生活の一部だったものが誰かの手に渡るなんて無理だよ〜」
わかるよね?わかるだろ?同士達よ
美那が私の顔を両手で包み優しく?語りかけた。
「あのね、かほ、普通女の子になるって決めたんだよね?」
コクリ…
「今までもかほにとって楽しかったかもしれないけれど、普通の女の子になればもっと楽しいことがあるかもしれないよ?」
そうかもしれない…私本気になってみようかな…彼氏とかそんなの考えないで普通の女の子ってやつになりたい。
バイト帰りにすれ違う綺麗な人たちの仲間になりたい。
ショーウィンドウに映る私を無表情で見てたあの頃とサヨナラする。
私は鼻水と涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げて
「うんっわがっだぁ〜わだじっ女の子になるっ!」
わたし
頑張ろうと思う。
「でも、猫夜叉だけは譲らないからねっ」
「「はいはい」」
スタートラインに立った私にもう一人の私が手を振っていた。