迷走ガール!!


ガシッ

腕を掴まれたみたいだ

「えっ?何ですか?」

まだ何か用があるのかな

「どこに落ちてたか気にならないの?」

別に気にならないし…そんなにお礼してほしいならいくらでもしますけどね

「図書室で一昨日朝、授業が始まる前に、一番奥の本棚で」

その言葉を頭の中で脳内再生させる…


図書室…一昨日…あっ
あの儀式を目撃した日だ。

「その日あんたは何を見た?」

「あのーそのもしかして、あれって」


すると突然耳元で囁かれた。

「俺、一応ここでは優等生で通してるから誰にもあの事言うなよ?」

冷や汗が背中を伝うのがわかった。


やっぱりあの時のってこの人?

私は橋本という男をちゃんと見た。


頭一個ぶんくらい違う身長で、私を見下げるように見るパッチリ二重、悔しいくらい程よい肌色で秀才と思わせるようなメガネ。


全部がマンガから出てきたようなルックスの持ち主で悔しさを感じた。

もしかして、この人多重人格か?

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