ボクの涙がキミの翼になる。

鳥たちの憂鬱

俺達二人は野球部に属しているが、殆ど活動していない。放課後となると教室で適当に時間を潰していた。
「ゲンキ、随分調子悪そうだな」
事情は分かっているが、敢えて聞いてみる。
「ん?…あぁ」
どうやら気付かれたくないようだ。しかしそんな彼をいじる様に俺は言う。
「マミってよくみるとカワイイよな?頂いちゃおうかな…」
それを聞くと彼は本音を表わにした。
「あ?!ふざけんな!」
と言うと俺は小さく笑った。彼は"ハメられた"という顔で下を向いた。すると突然…
「ガラガラ」
教室の戸が開いた。
「オサボリですかぁ?野球部諸君!」
またしてもマミだ…。
「ほっとけよ」
うざったそうな声で俺が言う。するとその言葉が気に入らなかったのか、小馬鹿にするように彼女は言った。
「あぁ…どうせ練習したってレギュラー取れないもんねぇ…」
カチンと来た俺は強い口調で、
「いちいちうるせーな!汗かきたくねーんだよ!」
と言い放った。するとゲンキが「ポン」と優しく俺の肩を叩いてこう言った。
「汗…かいてくるか…」
呆れた。本当に勘弁してほしい。
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