カーソルの下のラブレター
くるりと方向転換をして、外に向かうと。
ぱっと手首を掴まれた。
逃げられなく、なった。
容赦なく、視線が絡まる。
いたたまれない。
「別にあたしが好きなわけでもないくせに」
ふとうつむいて呟くと、手首を掴む手に力が籠った。
「本気だけど?」
「どこがっ」
「分からない?」
すっと、視界が暗くなって。
柔く、溶ける。
「……っ!?」
──キス。
動けなく、なった。
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