カーソルの下のラブレター

そのあとどうやって帰ったのか。

何も、全然、覚えてなくて。


それから変わったことだって、廊下ですれ違ったとき、お互い無視しなくなった。ってくらい。

っていうか、以前よりよく会う気がする。

些細な一瞬も、気づいてしまう自分がいやだ。


……白の、デスク。

出会いのはじまり。


足取り重く1週間振りに座ったそこは、真っ白のままで。


“すきだよ”


小さく書いてみた4文字。

すぐに恥ずかしくなって、でも消すのもためらって、いつかのメッセージに倣い、マウスパッドの下に隠した。


きっと気づく。

そのときの反応が、楽しみで。


以前みたいな疎外感は、もう胸の内に感じなかった。



[end!]
< 14 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop