カーソルの下のラブレター
そのあとどうやって帰ったのか。
何も、全然、覚えてなくて。
それから変わったことだって、廊下ですれ違ったとき、お互い無視しなくなった。ってくらい。
っていうか、以前よりよく会う気がする。
些細な一瞬も、気づいてしまう自分がいやだ。
……白の、デスク。
出会いのはじまり。
足取り重く1週間振りに座ったそこは、真っ白のままで。
“すきだよ”
小さく書いてみた4文字。
すぐに恥ずかしくなって、でも消すのもためらって、いつかのメッセージに倣い、マウスパッドの下に隠した。
きっと気づく。
そのときの反応が、楽しみで。
以前みたいな疎外感は、もう胸の内に感じなかった。
[end!]