カーソルの下のラブレター

「あ、あの、下敷き。落としませんでした?」


思わず敬語になってしまった。

透明なそれを差し出すと、どうも、と言って受け取って。


「ところでお前、誰?」


よく俺のって分かったね、と、不思議そうな目を向けるから。


「与瀬歩、です。それパソコン室で拾ったから」


答えると、はっ? と。

キレイなその目が驚愕に染まった。


「じゃあずっと、机に落書きしてたの、お前?」

「そう、だけど」

「女だったんだ」


あ、そういうこと。


「悪かったですね字、汚くて」

「いやそういう意味じゃないけど」

「じゃあ何さ」

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