カーソルの下のラブレター
「名前も紛らわしいし。書き方も、チャラチャラしてないから。流行ってるじゃん、なんかわざと崩したっぽい字」
「成る程」
「……お前、単純だな」
フォローされた途端機嫌が直ったあたしに、呆れたような口調で。
だって。
「いや、そういやあたしも渡辺くんって女子だと思っていたなぁと」
「お前な……」
たはっ、と笑って、じゃあね、って。
言い逃げみたいに教室を出た。
どうしよう。
むかついたけど、楽しかった。
そんなこと。
──もっと、話してみたいななんて。
ホントに、渡辺くんが女子だったら、ためらいなく仲良くなろうって言えたのに。