君が好き


あお向けになってう〜んと考える



考えたところでいい案は思い浮かばないんだけどね…


「授業、3回目休むことになるのかな…」



ボーとしながら天井を見渡す



別に変わったところはないっか…



「光!」



突然名前を呼ばれて心臓がはね上がる



えっ?呼ばれた方に顔を向ける



扉の向こうには日向くんがいた



ガラッと扉を開けて入ってくる



「光!
やっと…見つけた…!」



「日向…くん?」



ゼェゼェと息をあらげて近づいてくる



苦しそう…



「走ったの?」



「それもあるけど…
みんなで光を探してたんだよ」



「みんな?」



「和希に浅倉と相馬」



「そうなんだ…」



みんなに迷惑かけちゃったな…



「たく、こんなところで何してたんだよ?
ほら光、立てるか?」



手を差しのべてくれる日向くん



その手を右手で掴もうと腕を伸ばした時



「っ…!」



痛みが走った



どうしよう…



もうこれ以上日向くんに迷惑かけたくないのに、腕が上がらない…!



泣きたくなるほど自分の弱さがわかって、ギュッと眼を閉じた



すると急に体が軽くなったみたいにふわっとした感覚になる



あれ?



ゆっくり眼を開けると…



さっきより日向くんの顔が近くにあった




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