君が好き
【日向】
和希に何か言ってやれって言われたけど、それどころじゃなかった
今すぐあの場から離れないともう限界だったからな…
屋上で1人、フェンスの側に座る
すると、ポタポタとアスファルトの地面がぬれた
別に今は雨が降っているわけでもない
出元は…俺
頬からつたって、地面に落ちる
情けねぇー
こんなことで泣くなんて…
…いや、こんなことじゃないか
光が目を覚ましてくれたのがこんなにも嬉しいだなんてな…
逃げてよかった
こんなカッコ悪いところ、光には見られたくない
「光…好きだよ…」
ガチャンッと扉が開く音がする
下を向いていた俺の前に大きな影が伸びてきた
顔を上げると、そこには和希がいた…