君が好き


【日向】



和希に何か言ってやれって言われたけど、それどころじゃなかった



今すぐあの場から離れないともう限界だったからな…


屋上で1人、フェンスの側に座る



すると、ポタポタとアスファルトの地面がぬれた



別に今は雨が降っているわけでもない



出元は…俺



頬からつたって、地面に落ちる



情けねぇー



こんなことで泣くなんて…


…いや、こんなことじゃないか



光が目を覚ましてくれたのがこんなにも嬉しいだなんてな…



逃げてよかった



こんなカッコ悪いところ、光には見られたくない




「光…好きだよ…」




ガチャンッと扉が開く音がする



下を向いていた俺の前に大きな影が伸びてきた



顔を上げると、そこには和希がいた…




< 115 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop