君が好き
「あのー、あたしたちがいること忘れてない?」
隣で声がする
見ると奈緒と花が苦笑いをしながら困った顔をしていた
「あ…」
私でさえ忘れていた二人の存在
せっかく来てくれてるのに、本当に申し訳ない…
日向くんは二人の存在を思い出したかのように、バッと私から離れた
「…ごめんね、奈緒、花」
「いいよ、いいよ」
「まだ続けててもいいんだけど、わたしたちそろそろ買い物にいこうかな〜って」
「買い物?」
「そっ!」
いいな〜、買い物…
私も行きたい…
「光りも誘おうと思ったんだけど、さっき北条くんが言った通りまだ病み上がりなんだから、今日は大人しく休んでなよ」
「また今度一緒に買い物行こ!」
にっこり笑顔で言ってくれる二人に私はすごく胸がジーンとして涙がでそうだった
「ありがとう、うん私早く元気になるからね」
首をかしげながら笑顔で答えると、二人は
「じゃぁまたね、光!」
「バイバーイ」
と言って、北条くんを引っ張っていった
……え?
「な、なんで俺まで!?」
「いいから!」
「北条くんもいつの間にか光のことを好きになってたみたいだけど、今日は二人きりにしてあげよう」
「そうそう」
「ちょっ、待っ!
光〜!」
北条くんが呼ぶ声は、もうほとんど聞こえなくなるぐらい遠くにいて、見えなくなった