君が好き
ポツーンとその場に残った私と日向くん
ちょっと待って!
いきなり二人って……!
さっきはみんないたから良かったけど、今はすごく緊張してる…
しかも何か静かだし…
チラッと日向くんを見ると、日向くんも何だか顔が赤くなっていた
私の視線に気づいた日向くんは
「…帰る?」
と言って手を伸ばしてくれた
「…うん」
微笑みながらそっとその手を握る
日向くんもニコっと笑って、握り返してくれた
沈黙は何度かあったけど、たわいもない話をしながら帰っていると、あっという間に家の前に着いてしまった
「あ、じゃぁ…」
いいかけようとした時バッと抱きしめられる
「ふぇ!?」
思わず変な声が出てしまう
「日向…くん?」
「光…」
ギュッとさっきより力をいれられる
私も日向くんの背中に腕をまわして
「どうしたの?」
と聞いた
まぁ平然に聞いてるよいに思えるけど、心臓はバクバクなわけで……
「光、無事で良かった…!」
「ん?うん…」
え、今…?
別にいつでもいいんだけど、その言葉は最初に言って欲しかった…かな…?
「ごめん…」
まただ…
ねぇ、日向くんは何で私に謝るの?
日向くんは何か悪いことでもした?
謝らないで…
「俺のせいで光を傷つけた…」
「俺の…せい?」
言っていることがよくわからない…
「俺が早く光を見つけられていたら…
光から眼を離さなければこんなことには…」
…それは日向くんのせいになるのかな…?
「早く話をつけとけば良かった…」
弱々しい声
いつもの自信があるような声ではなかった