君が好き
アクセサリー屋さんを出て、休憩もかねてカフェ店でお茶をすることになった
「私オレンジジュース」
「俺はアイスティーで」
「かしこまりました」
それぞれ飲みたいものを頼む
「日向くん、次どこ行く?」
「次…」
ん〜、と首をかしげながら悩んでいる
行き場所決めてなかったんだね…
「じゃぁ公園でも歩く?」
「うん、いいよ!」
次の行き場所も決まり、飲み物が来るのを待った
「お待ちしました
どうぞ、オレンジジュースとアイスティーです」
「ありがとうございます」
来たオレンジジュースのストローに口をつけて飲む
甘ずっぱくておいしい…
「光」
「何?」
呼ばれて顔を上げてみる
「これプレゼント」
と言われ、手渡されたのは小さくかわいい包みの袋
「…?」
よくわからず受けとる
「開けていいよ」
そうニコニコしながら言うので、私は包みを丁寧に破って開けた
中から出てきたのはふたが透明になっていて、キレイな箱に入っている小さなちょうちょがついたピンだった
「これ…」
アクセサリー屋さんで私がいいなって思ってたやつだ…
「え、え?
これ…もらってもいいの?」
「うん、光そのピン気に入ってたっぽいのに買わなかったから、俺が今日の記念としてプレゼントするよ」
「あ、ありがとう!」
嬉しい
まさか日向くんからプレゼントがもらえるなんて…!
「つ、つけてもいい!?」
「うん!」
私はすぐ箱から二つのピンを出し、前髪の右につけた
「ど、どうかな…」
恥ずかしくてモジモジとしてしまう
上目づかいで見つめると、日向くんの顔は赤くなっていた
そして下を向いて
「か、かわいい…」
と小さく呟いた
聞いた瞬間キュンッと心臓が跳び跳ねた
「へへへ」
ニコニコして照れながらジュースを口にふくんだ