君が好き
「部屋に干すから、光も手伝って!」
そう言われ、私は渋々とソファから立ち上がった
雨は嫌い
だってジメジメするし、ぬれるし、いいことなんて一つもない…
7:30
「じゃあ、そろそろ行ってくるね」
私は靴をはきカバンをしょって、玄関の扉を開ける
「いってらっしゃ〜い」
「行ってきま〜す」
家族全員に見送られ家を出る
ーーーー…
数分歩いた頃、遠くの方から
「光〜」
と、誰かが私を呼ぶ声が聞こえた
振り返って見ると、そこには、友達の奈緒がいた
「おはよ、光!」
ポンッと、私の肩を叩いてにっこりとあいさつする
「おはよ、奈緒」
私もにっこりあいさつを返す
この子、浅倉奈緒は中学の頃からの付き合いで、私の一番の友達だ
元気でいつも明るく、何の相談にでもすぐ乗ってくれる、優しい子
私はそんな奈緒が、友達として大好きだった