君が好き

別れ


突然の言葉に頭がついていかない



「ごめん、うまく、聞き取れなかった…」



「……別れよう、光……」


再度言われる言葉



別…れよう…?



「何で…?」



さっきまでそんなこと切り出すような雰囲気じゃなかったよね?



すごく楽しくて、華やかで、キラキラしてたよね?



それも全部…ウソだったの…?




「…俺、もう1回瞳と付き合うことにしたんだ…
だから、別れよう…」



「ウ…ソ…」



何で?



日向くん、昔騙されたって言ってたよね?



それで傷ついてたんじゃなかったの?



何で…また…



「嬉し〜な〜!
日向がまた私と付き合ってくれるなんて!」



グイッと引っ張って日向くんの腕にくっつく瞳さん



やめて、離れて…



日向くんの隣に立つのは私だよ?



やだ…やだ…



体が動かない



まばたきも息もしていないように感じた



「日向、これからはずっと一緒だよ?」



笑いながら日向くんを見上げている



腕をくんで、日向くんの手と瞳さんの手が絡みあう



「…あぁ」



二人は見つめ合っているのを、私はただ唖然と見ていることしかできなかった














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