君が好き


「ほら、あの子だって友達にはならないって言ってるわよ?
やっぱりただの他人がいいのよ」



「…光」



「ほら、あんな子放っといて早く雨宿りできる所行こう」




瞳さんは日向くんを引っ張って向こう側に歩いていこうとした



私は、もうこのまま日向くんと別れていいの?



最後に、言っておいた方がいいんじゃないの…?


「日向くん!」



精一杯の大きな声で



「大好きだったよ!
いままで、ありがとう!
さようなら!」



精一杯の気持ちを込めて言った



この雨の中だし、ちゃんと届いたかはわからない



けど、日向くんはこっちを向いていた



瞳さんは、足を止めることなく日向くんを連れて歩き続けている





…これで、よかったんだよ…



私は雨の中、びしゃびしゃに濡れながら日向くんたちとは反対方向を走って行った













今日は最高で、最悪な最後のデートだった……





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