君が好き
「昨日何してた?
俺さ犬の散歩しててそれから……」
「そうなんだ…」
北条くんが話かけてくれるけどほぼ上の空で聞き流す
「…ねぇ光、何かあった?」
「え…」
私の様子がおかしかったからなのだろう、北条くんが心配して顔を覗きこんできた
「ううん、何もないよ?」
心配してくれるのは嬉しいけど、今話す気にはなれない
それにいつか日向くんから聞くと思うし、今私が言わなくてもどうせ遅かれ早かれ知ることになるんだから…
「ふ〜ん、にしては浮かない顔してんね」
「ん、ちょっと疲れてるんだと思う…」
「そっか、じゃぁ何かあったらいつでも俺に言って?できることは何でもするから」
「ありがとう」
優しく笑った
北条くんも笑って、何だか励まされた気分だけど、ちょっと気持ちも落ち着いた
「あれ、光と北条くんが一緒に登校なんて珍しいね」
「花…」
向こうから花と奈緒がやって来た
「そんなことしてたら日向くん妬いちゃうよ?」
クスクス笑って言う花に私は返す言葉が見つからず、ただ苦笑いをするしかなかった