君が好き


「何でまたあんな奴となんかと付き合うことになったんだよ…」



少し睨みつつ聞く



今まで日向は秘密を作ることがなかった



光と付き合った時も、真っ先に俺に連絡してくれたのだ



そんな日向が隠し事をするわけない、と思っていた




けどそれは思っていただけ


現実は違う…



「わりぃ、それは言えない…」



「……え」



「和希には関係ねぇことだし…」



関係ねぇ、ね…



そう言われると結構ズキッときて胸が痛くなる




俺は何も言えなかった…



日向が関係ないと言うほどなのだから、ここから先は踏み込んで欲しくない…



ということだろう



日向が机から飛び降りた時、丁度昼休みが終わるチャイムが鳴った



「ま、そういうことだから和希、光のこと頼むな」



ポンッと肩を叩かれて最後に耳元で何か言われる



そして日向はそのまま教室から出ていった



1人残されて部屋がシーンとなる




最後に言われた言葉は、




『俺はもう光と関わらない、だから和希が取ってもいいよ…』



と言われた








…ふざけんなよ!?



何が取ってもいいよだ…



お前の気持ちはそんなもんだったのかよ、日向!






光のこと頼むなって…




俺にどうしろって言うんだよ……






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