君が好き
10分ぐらい早足で歩いて待ち合わせの駅に着いた
「北条くんは…」
「光!」
辺りを見回していると、壁にもたれかかって私に分かりやすいように手を上げていてくれた
見つけれたことにちょっと安心して顔がゆるむ
「ごめん、遅れちゃった…」
「いや、いいよ
俺光のためなら何時間だって待ってられるし」
ハハハハ、と笑って言う北条くん
私は少し恥ずかしくなりながらも、心の中では
いくら相手が私だからってそう、何時間もやすやすと待ってられないものだろう…
と思った
「とりあえず電車乗ろ」
指を指しながら言った
「うん」
それに答えて二人で電車に乗る
乗ったはいいもの、中は予想以上に人が多かった
席もすべてうまっていて、立っておくことしかできない
しかたなく、閉まったドアにもたれかかった
隣に北条くんも立つ
…人が多くて狭いせいか…
異様に私と北条くんとの距離が近いような気がした
ちょっと動いたら当たりそうなほどだ…