君が好き
「何してんの、こんな入り口で?」



ニッコリと聞いてくる日向くんに、私はトキメキながらも、すぐその思いは消えた



ゆっくりと、またみんなの方を向いてみる



「え…」



さっきまでとは違い、今度は笑顔でこっちを見ていた


今までの冷たい空気と、痛い視線が消えてる…



「光、なんか今日のみんな変じゃない?」



耳元で小さく聞いてくる奈緒に対して、私は



「うん…」



としか答えられなかった…


そこへ、HRのチャイムが鳴る



私は振り向いて



「な、なんでもないから、早く席に付こ?」



作り笑顔で日向くんに言う



「ん、そう?」



と言った後、日向くんは北条くんと一緒に、自分の席へ向かって行った



みんな急いで自分の席に向かう中、私は数秒立ってからやっと足が動いた



ーーーー…



「ハー、なんか今日ずっと誰かに見られてる気がして、全然落ち着かなかったよ〜」



机にダラ〜っと、崩れながらため息をつく



「よしよし、今日のみんなはどうしたんだろ〜ね〜?」



なでなでと、私の頭を撫でながらあやす花



すると、頭をかきながら、困った顔をした奈緒が近づいてきた



奈緒は、言うのをためらうかのように、う〜んう〜んと唸ってから、深呼吸を1回して言った



「あのさ、朝思ったんけど…
睨まれてたのって…」






「光だけじゃなかった?」


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