君が好き
シーンとする空気



「な、何言ってんの、奈緒?」



動揺したように聞く花



「だって!
…みんな、あたしや花じゃなくて、光だけに視線を向けてたように見えたから…」



下を向き、怖い顔をして言う


そんな時、机をバンッ!
と叩いて、花が立ち上がった



それにビクッと小さく反応した


けど、それに気づいていなかったのか、花も怖い顔をしながら



「そもそも、何でみんなに睨まれなきゃなんないの!?」



と、フルフルと震えながら言った



いつもみたいな、余裕そうな花の姿は消えている



確かに、何で睨まれないといけないんだろう…



私たちを睨んだかもしれないけど、奈緒が言ったように、私だけを睨んだかもしれない…



でも、睨まれる理由がわからない!



私たちがずっと黙っていると、クラスの女子の5人組が



「ちょっと、校舎裏に来て」



と無表情に言って、教室から出て行った



突然のことにビックリしたけど、今日の朝のことと何か関係があるかもしれない、と思い



「行こ」



そう呟いて、三人で行こうとした時、さっきの5人組の一人がこっちを振り替えって



「来るのは野崎さんだけでいいよ」



と言った



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