君が好き
【北条】
1週間前
「光、別れよう」
「……」
光を学校の裏側に呼よんで別れ話を切り出した
「また日向と付き合うんだろ?」
「何で知って…!」
「日向から聞いた」
「そう…なんだ」
顔が赤くなる光
いつまでたってもういういしくて、可愛かった
けど
「俺さ、まだ光の事が好きだけど、光も日向が好きなんだろ?
だったら、別れよう」
「北条くん…」
光は日向が好きなのにずっと一緒にはいられない
だったら早く別れて光を日向の所に戻す方がいい
ちょっと惜しいけど…
「うん、わかった
ありがとう」
刹那そうに笑って言う光
そんな顔されたら手離せなくなるじゃん…
「俺ふってる訳だし、礼言われる筋合いないと思うけど…」
ちょっと意地悪そうに言うと
「あ、そっか!
…でも、北条くんが気を使ってくれてること分かってるし、それに…この前はすごく楽しかったから…!」
満面の笑みで返された
「…っ!」
ちょうどチャイムが鳴る
「じゃぁ私そろそろ行くね?」
「あ、あぁ…」
過ぎ去っていく光に、最後に
「何かあったらまた相談しろよ!
友達なんだからな!」
走りながら振り返える光は、優しい笑顔をしていた
はぁ、とため息をついてその場にしゃがみこむ
「最後にその笑顔は反則だろ…」
やっぱり好きなものは好きだ
今はまだ光から離れられないだろう、と思った春の初まり…