君が好き


「はい、チケット2枚で〜す」



日向くんはチケットを受け取り、超機嫌で映画館のなかに入って行った



その後ろにトボトボと着いていく



今だにさっきのドキドキが鳴っている



はぁ、こんなんだったら今日1日持つかな…




私たちの席は真ん中ら辺だった




「ねぇ光、何でこの映画にしたか分かる?」



「え?
さぁ〜?」



座って待っている間、日向くんが話出した



「これさ、題名が『ピンクの蝶々の恋』、でしょ?
今日ちょうど光ピンクの蝶々のピンしてるし、このストーリーちょっと俺たちと似てるんだよ」



「へ〜」



「だからちょうどいいかと思って」



何がちょうどいいんだろう…?



「この映画見ながらさ、今までの思い出振り返ろうよ?
そしたら絶対今がすっごい幸せなんだってこと光にも伝わると思うからさ!」




あぁ、そういうことね…



ごめん、日向くん



じゃぁこの映画見る必要ないかも…



「もう、今が十分幸せだって知ってるから…」



軽く日向くんのホッペにキスをした



自分からキスするのは初めてで、恥ずかしかった



ホッペにだけど…




ちょうど暗くなってるところだったし、周りの人には気づかれてないはず…




「光…」



映画のスクリーンの光に照らされた日向くんの顔は赤くなっていた



そして、もう一度キスをかわす…



今度は唇に…




二人の距離は、最初よりもっともっと近くなっていた













これからもずっとずっと、君が好き








END



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