君が好き
「は?
光だけ?何で?」



怒ったかのような顔をしながら、花がその女の子に詰め寄る



けど、女の子は顔色も変えず、後退りすることもなく



「あなたたち二人には関係ないから」



と淡々と言った



それを聞いた奈緒は、私と花を後ろにやって花が前に出ないように、片手を横に出しながら



「納得いかない
あたしと花に関係がなくても、着いて行くのはいけないの?」



睨み付けるように女の子を見る



「ダメ」



即答で答える女の子



「ちょっと、何してんの!?早く行くよ!」



下の方で待っていた女の子たちが、しびれを切らしたのか、大声で怒鳴ってきた


その声に一瞬ビクついた彼女は、さっきの無表情の顔から焦りの顔に変り



「は、はい!
今すぐ行きます!」



と下にいる人に言った



同じクラスなのに敬語…
たぶん、今の声の人が親玉的みたいな人なんだろう…


そんなことを考えていた私に、女の子はまた無表情の顔をして



「早くしてよね」



と言った





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