君が好き
日向くんがモテているのはわかっていた



去年、先輩の女の子たちから7人ぐらいから告白された、という噂が当時には流れていたから…



けど、私はそれでも日向くんのことを諦めきれなかった







「もうさ、日向に近づかないでくれる?」



私はピクッと小さく反応した



上から睨み付けられる



けど、そんなことはもうどうでもいい…



さっきから、日向、日向と…


そんな親しくもないし、彼女でもないんだから、彼の名前を呼び捨てできやすく呼ばないで!!


「な、何よ、その眼…!」


今の私は、怒りに満ちたような鋭い眼をしているのだろう…



言葉もなく、動くでもなく、ただずっと彼女たちを睨み付けるだけ



「…っ!
うっっざいんだよ、その眼!!」



ドンッと肩を押され、また後ろによろめく



けど、今度は転けたりはしなかった



…誰かが後ろから私の腕を握って、支えてくれてる…?



ゆっくり、首だけ後ろにやって見ると、そこには…



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