君が好き
ーーーー…



なんだか一気に台風が過ぎて行ったみたいに、静かになった



シーンとしていると



「大丈夫か?」



と後ろから声をかけられた


私はビクッとして声が出なかった



ゆっくりと、後ろを向いて北条くんを見る



いつもの顔の北条くんに戻っていた



なんだか、ホッとした



「うん、大丈夫」



「そっか」



ニッコリと微笑む北条くん


まさか、誰かが助けに来てくれるとは思わなかった



しかも、日曜日に初めて話した北条くんが来るとは…


小さく考えていた私に、北条くんは



「どっか痛む?」



と聞いてきてくれた



「あ、いや、大丈夫。
ちょっと背中うったぐらいで、たいしたケガはないから」



慌てて言う



「ならいいけど…」



心配したような顔をする



「大丈夫、大丈夫!」



私は元気満足に見えるように見せた



…本当は背中に壁が当たった時、かなり痛かったけど…



まぁ、心配はかけたくないから他の人にも黙っとこ



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