君が好き

ーーーー…



「じゃあみんな、気ーつけて帰れよー」



先生が言い終わると同時にクラスのみんなが帰る準備をする



「ねぇ光」



「ん?」



奈緒に呼ばれ振り返る



「あの、さ…
今日日向くんと帰る?」



いつにもましておどおどしている



「うん、まぁ…」



なんだろ?
と思いながら首を曲げる



「ん〜、別に気にしない方がいいと思うんだけど、今日は日向くんと帰るのやめといた方がいいよ…?」



突然の奈緒の言葉に驚く



「…なんで?」



驚いてもなお、冷静に聞く



「…今日、あんなことあったから…
もしこれから、光と日向くんが一緒に帰ってるとこあの女子の一人にでも見られたらって思って…」



下を向く奈緒



たぶん私の心配をしてくれているのだろう



「ありがとう、奈緒
でも大丈夫だよ。また同じようなことが起こっても、今度こそ私負けないから!」



拳を胸ぐらいの位置に持っていき、ぐっと力をこめる


すると、さっきまでくらかった奈緒は小さく笑った



「うん、そうだね
それに今度光が呼ばれたらあたしもついて行くし!」


奈緒も拳を上げてぐっと力をいれる



「待って待って!
あたしもいるし!」



突然奈緒のうしろから表れた花



「あたしだって今度は光の役にたつようにするよ!」


キラキラ光っているように見える花の眼



それを見た私と奈緒はプッと二人してクスクス笑った


なんのことか気づいてない花も、つられて一緒に笑い出す




< 38 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop