君が好き

ーーーー…



「で、昨日手繋いで帰ったんだ!?」



ぐいっと机ごしに体を近づけられる



「う、うん」



少し戸惑いつつも返事をする



「何それー!
すごいじゃん!」



キャー、と叫ぶ奈緒



「でさ、その女の人誰だったの?」



冷静な花はジュースをズズズと吸いながら聞いてくる


「あ、あの人は、日向くんの幼なじみの人なんだって」



あの日、帰っている時に日向くんに聞いていた



しかも、あの美しさで私と同じ年だなんて…



あれは少しショックだった


「へ〜
でも私的には、日向くんに元カノがいたってことにビックリだな〜」



ほほぅ、と聞いていた奈緒は興奮が覚めたのか、静かにイスに座る



「そうだよね〜
私もあの時初めて知ったよ〜」



ハハハ、と苦笑いをする私


「あり、二人とも知らなかったの?」



首をかしげ、花はまたジュースをズズズと吸う



「……」



「……」



私と奈緒は呆然とした



「わたし知ってたよ?」



そう言う花にバッと奈緒と一瞬に体を寄せ



「な、何で知ってんの!?」

「な、何で知ってるの!?」



同時に聞いた



そんな私たちに動揺もしないで



「え?
だって同じ中学だったから?」



花は疑問系で言う



聞いた私たちはキョトンとする…



そ、そんなこと…



「聞いてないよ〜!」



初めていつもより大きな声を出した…気がする…



これには、おぉ!?
とビックリする



隣にいた奈緒もビックリしたのか、ビクッと体が震えていた



席を立って大声を出した私に、教室にいた人たちの視線が向く



「ま、まぁまぁ、落ち着いて、光」



苦笑いをしながら私を静める奈緒



それにハッ!としてして席につく



「ごめんみんな、何でもないから」



みんなの視線を外すため、花が笑顔でみんなに謝る



は、恥ずかしい…



今は日向くんが教室に居なかったのが幸いだった



「ご、ごめん、大声出しちゃって…」



下を向いて二人に謝る



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