君が好き
ーーーー…
「って訳」
すべて話終わった花は疲れたように体をダラーと机に伏せた
花の話では、日向くんの元カノの名前は前田瞳
明るく、日向くんと同じで男子からも女子からも人気があったらしい
そして日向くんと付き合い始めた…
日向くんも、瞳さんもお互いが大好きだったんだって
けど、二人の間で何かがあって(何があったかは、知らないらしい)二人は別れた…
「ふーん、何が原因かは花でも知らないんだ?」
奈緒は両手をアゴにつけながら真剣に聞く
「うん
友達が瞳に聞いても教えてくれなかったって」
原因不明…
何か気になる
なんでだろう?
不思議に思いながらも、奈緒と花が話ているのを静かに聞く
「ねぇ、北条くんに聞けばわかる?」
「ううん
確かに北条くんも一緒の中学だったと思うけど、わたしたちとはクラス別だったし…
それに、わたしは北条くんの存在をここに来て、初めて知ったから、詳しくはわかんない」
下を向いて少し暗くなる
「そう…」
奈緒も一言そう言って机にうなだれる
…今さら遅いと思うけど、私は日向くんの過去を知ってもよかったのかな……?
1人静かに心の中で呟く
ちょうどその時、ガラッと日向くんが教室に帰ってきて、チャイムが鳴った
まぁ、今日の帰りちょっと聞いてみようかな…?
そう思って私はイスから立ち上がり、奈緒と花を起こして掃除場所に向かった