君が好き
「日向くん…
今日一緒に帰れる?」
HRが終わってすぐ、日向くんの所にかけよって来て聞く
すると日向くんはニッコリと微笑んで、口を開けた瞬間、〜♪♪〜と、誰かのケータイが鳴った
自分のかと思って確認してみたが、やっぱりちがった
ポケットに戻し、日向くんに向き直ってみると、真剣な表情をしてケータイの画面を見る日向くんがいた
あ、日向くんのケータイの音だったんだ…
そんなことをのんきに考えていた
ケータイを閉じてポケットにしまいこんだ日向くんは私と目があった
…かと思えば、
「ごめん!
急に用事ができた!」
と手を合わせて、謝られた
「へっ…?」
突然の言葉にビックリして、拍子抜けした声が出る
「ごめん、さっきメールが来て…
どうしても行かなくちゃいけないらしいんだ…」
困った顔をしながら焦る日向くん
そんな様子を見た私は、
急がないといけないのかな…?と思い
「いいよ、気にしないで」
と笑顔で返した
「ホントごめん!
明日は一緒に帰ろうな!」
慌てた日向くんは、片手にカバンを持ち、扉を開けてから言った
「うん!」
笑顔で見送る私に少しホッとしたのか、小さく微笑んで行ってしまった