君が好き
交差する気持ち…
さて、これからどうしようか…
奈緒と花は部活だし、私の入っている家庭科研究の部活は一週間に1回だし…
もう帰ろうかな
そう思って、私は静かにカバンを持って教室から出た
下駄箱に行って、靴を取った時
「野崎…」
そう呟く声が聞こえた
振り返ってみると、今にも帰りそうな北条くんが立っていた
「北条くん、どうかした?」
「いや、別にその…」
突っ立ったままの北条くんに声をかけた
…が、ハッキリしない返事が帰ってくる
「…今から帰るなら、一緒に帰ろう!」
笑顔で北条くんに言う
すると、「えっ!?」と驚いたような声を出した
「あ、いや…かな?」
「いやいや!
そんなことはないっ!」
困った顔をした私に、北条くんは片手を横にブンブン振った
その様子を見た私は思わずクスクス、と笑ってしまう
「……っ!」
笑っているの横を通り過ぎて、靴をはく
「いつまで笑ってんだよ…
ほら、帰るんだろ!?」
「う、うん!」
恥ずかしいのか、背を向けて言う北条くん
その姿にまたクスクスと小さく笑ってしまった