君が好き
………
「ねぇ、もうひとつ聞いていい?」
「答えられる範囲ならな」
上を向く北条くんに対して私は下を向く
「…あの時、ケータイで女の子たちに何を見せてたの?」
ピクンッと北条くんの体が反応した
少しの沈黙が続く…
「…それ、言わなきゃいけない?」
少し低なる声
「…言いたくなかったら言わなくていいよ」
何だか怖くて北条くんの方を見れない…
「……」
「……」
「ハァー」
深いため息をつく
そのため息にビクッと反応してしまった
何か怒ってる…?
北条くんの方を向こうとした
けど、怖くて顔が見れない…
「そんなビビんななくていいよ
別に怒ってるわけじゃないから」
北条くんにはすべて見抜かされていた
「ご、ごめん…」
下を向いて謝る
怒ってないってわかっても、やっぱり怖くて向けない…
「……まぁいいや
ホラ…」
そう言われて、私の目の前に出されたケータイを見る
そこには、楽しそうに写っている私と日向くんがいた…