君が好き
「…!
何で北条くんがこんなところにいるの!?」
ずっとベンチに座っていた北条くんに気づいていなかったのか、突然現れたことに驚いている
「まぁ、細かい説明は明日にでも聞いてやってくれ
それよりも…」
グイッと私の両腕を掴み、フワッと私を立たせる
「コイツを早く家に送ってやってくれ」
そう言って、ドンッと押して私は奈緒の受け止めた胸の中へ入った
「ちょっ!
……わかった、ひとまず光は家まで送るわ
光、明日何があったか教えてね…?」
ため息を漏らしながら、私を優しく抱きしめ、聞いてくる奈緒に小さくコクりと返事をした
「じゃあね」
「あぁ、じゃあな…」
奈緒と北条くんが別れを告げて帰ろうとした時、私は足を止め、北条くんの方に向かった
そして下を向き小さく
「…ありがとう」
と言った
すると、北条くんは私の頭をクシャクシャと撫でながら
「何かあったら俺でもあいつらでもいいから相談しろよ?」
あいつら、というのはたぶん奈緒と花のことだろう…
周りは暗くてよく顔が見えなかったけど、北条くんはニッコリ笑っている気がした
「…うん」
とうなずいて、また奈緒のところに戻る
話……
ちゃんと話せるかな…?