君が好き
「ーーーってことがあって…」
「はぁ〜、何でそんなことになってるわけ〜!?」
「どろどろだね」
「ハハハ…」
私がすべて話したのを聞き終わった奈緒と花は、体勢を崩しながら言った
あ、すべてじゃない…
北条くんに、抱きしめられたことは二人には言わなかった
「笑い事じゃないよ、光
これからどうするか考えないと…」
「ハイ…」
呆れたように、けど真剣な顔で言ってくる奈緒に私は頭が上がらなかった
「…諦めた方が、いいのかな…?」
小さくうずくまって聞く私に花は
「じゃぁ日向くんに直接聞いたら?」
軽そうに言って、お菓子をボリボリ食べながら寝っころがっていた
「そう簡単なら、世の中のカップルは苦労しないわよ…」
「そう?」
確かに
みんながみんな、花みたいにスパスパ言える子ばかりじゃない
けど…
「遅かれ、早かれ、日向くんに聞くなら早めの方がいいかもしれない……」
「光…」
「よく言った、光!
それでいいんだよ!
はい、ご褒美にあ〜ん」
「あん」
花が差し出したポッキーをもぐもぐと食べる
「…でも、光…
それを日向くんに聞いて、傷つくかもしれないんだよ?
それでもいいの?」
心配する奈緒
けど、もう私は決めた
「うん、それでもいい
どんな結果になろうとも、私の思いは曲がらないよ」
そう言って、小さく微笑んでみた
奈緒も納得したように微笑み返す
「そう……
まぁ、光の思った通りに動けばいいよ
これは…光の問題だから…」