君が好き


「あ、野崎……」



振り返って私の名前を呼ぶ


その瞬間私は一昨日の夜、北条くんに抱きしめられたことを思い出した



「……!」



不意に顔が赤くなる



北条くんはあの時慰めるためにあんなことしたのかもしれないけど、恥ずかしくなって顔を見ることができなくなってしまった



「あ…
私用事があるんだった!
ごめん、先に行くね!」



そう言って急いで階段に向かう



「ひ、光!?」



「お〜い、光〜
用事って何〜?」



二人が私に話しかけてくる声は聞こえた



けど、ごめんと思いつつそのままの勢いで階段をかけ上がって行った











≪奈緒≫


残されたあたしたちは呆然と、光が見えなくなっても突っ立ったまんまだった



「ど、どうしたんだろう!?
光…!」



いきなりの光の反応に驚いたあたしは戸惑っていた



に比べて冷静な花は



「ははーん」



と、何かを感じとったかのよいな言い方をした



「野崎…」



北条くんは光が見えなくなった後も、ずっと階段を見ていた……



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