君が好き



「そっか…」



その一言を言って、数分沈黙が続いた



「…俺さ、脅されてんだよ、瞳に…」



下を向いて言う



沈黙を破ったのは日向くん


「脅し…」



「光に一緒に帰ろうって言われた日、すごい嬉しかった
けど、ケータイのメールを見て俺はメールを選んだ」


「メールには何て書いてあったんだよ?」



また黙りこむ



「″助けて″
って…」



「……」



「……」



「瞳からっていうのはわかってた
けど、助けてなんてメール来たら心配して行っちまうだろ…?」



…確かに、私に元カレがいたら、助けてなんてメールが来たら行ってしまうかもしれない…



もしかして日向くんが瞳さんに抱きついたのは無事だったから?



そんな想像を1人、膨らませていた



「でも、あのあとすぐ何で光を選らばなかったんだって後悔した…」



すごく後悔したような顔…


何で後悔するの?



瞳さんは無事だったんだから良かったはずでしよ?



「…日向、お前また騙されたんだろ?」



北条くんの一言に驚く



「…あぁ」



うなだれたように答える日向くんは少し、顔が青くなっていた




騙された…?



ってことは…



助けてなんてウソだったってこと?



でも、またって…?



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