君が好き
【北条】
日向のやつ、なんなんだよ
俺たちが帰ったら
まだ一時間ぐらい光は家の中で1人になるじゃないか……
イライラしながら夜道を歩いて行く
「……和希」
「んー?」
後ろにいた日向が呼んできた
光の家から出た後すぐ静かになったくせに……
「なんだよ」
後ろを振り返って聞く
日向は下を向いたまんま黙っていた
人の名前を呼んどいて、黙んまりかよ……
イラッとしながらも話し出すのを待つ
何で俺、こんなに日向にムカついてんだろ…
「和希、何でお前…」
考えていた俺にやっと話し出す日向
「何で…光の家にいたんだ?
しかもあんな…」
「あぁ、あれか…」
まぁ、あの行動をとった俺もちょっとヤバかったな
まさか日向が来るとは思ってなかったし…
にしても、あん時の光もどうかと思うぞ?
普通に無防備だったし、あんまり状況がわかってなかったっぽいしなー
「俺はたまたま光が泣いてたところにバッタリ会って、話を聞くために家に上がらせてもらったんだ」
上がってくれって言ったのは光だけど…
「それに、あれは不可抗力
足が滑ってあぁなっただけだ」
ウソだけどな…
「そう…だったのか…」
ウソをついているとは気づいていない日向はなんとなく納得していた
俺も日向をだましたってことになんのかな…?
「俺さ、あれ見て和希も光のことが好きなんじゃないかって思ってさ…」
「ん?
好きだよ?」
「え…?」
あ……ヤベ……