君が好き



「あら、光起きるの早いわね〜」



「昨日早く寝ちゃったから」



「そう
あ、尋には黙っててくれって言われてたんだけど、光にかけられた毛布、尋がかけたのよ?」



「そっか、私も尋かなって思ってた…」



やっぱ尋だったんだ



「ふふふ、あの子っていつまでたってもお姉ちゃんのことが好きなのよね
素直じゃないけど」



そう言ったお母さんはクスクス笑いながらキッチンに向かった



いつまでもお姉ちゃんが好き、か……



まぁそれはそれで嬉しいからいっか




数分後



「あ、姉ちゃんおはよ…」


「おはよう、尋」



眠たそうに虚ろいた目をしている尋に笑顔で返した



あいさつだけして通り過ぎようとする尋



そんな尋に別れ際に



「ありがと…」



と小さく呟いてニコニコしながら玄関へ向かった



< 97 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop