運命
「空? 空?

ねぇ 冗談は やめてよ!

ねぇ 起きてってばぁ 」


空を揺する手に力が入る


「そら! そら!そっらっ」
手が一度止まる
手に何かついてることに気づいたのだ。

「(なんだろうこれは?)」
熱い紅い液体


それが空の血だと気づくにそれほど時間はたたなかった


光の両手には紅い、紅い、紅い、血がべっとり


冷静になって空の周りを見てみると紅い血の水溜まりができている


始めて気づく空が


重傷だったということに

そして


もう 動かないということに…



「いやぁぁぁぁぁぁ」


自分の両肩をだいて叫ぶ

ぽつぽつ
音がし始めた


雨だ、

ざぁー

しばらくして雨は強くなった

容赦なく雨は光の身体を濡らした。


まるで光の涙のように雨はさらに強くなっていった。
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