ノンシュガーに夢中
「っ…、紺野、……あのね、聞きたいこと、あるの。」
「……ん?」
ぐっと紺野の胸に顔をうずめて、ゆっくりと、問う。
「昨日…私ね、マンションに入ってく紺野を見たの。……超美人な女の人が一緒にいたけど…。」
言いづらさを感じながらも最後まで言うと、紺野は私の首筋で「え。」と短い言葉を漏らした。
「昨日…やっぱ暁いたの?」
「へ、?」
「呼んだでしょ、俺の名前。」
ふっと笑った紺野に、私はもうただびっくり。
だって聞こえてたの?
私の声、聞こえてた?
「暁の声が聞こえた気がしたんだよね。でも周りにいなかったから、空耳かと思ってた。」
「…っ…。」
…嬉しい。
届いていたんだ、と思うと。
すごくすごく、嬉しい。
私の声は、紺野に届いてた。