ノンシュガーに夢中
でも、紺野。
「…あの女の人は?」
すごい綺麗な人。
大人の女性って感じの方。
紺野はああ、といま思い出したみたいな声をあげると、くすくすと笑う。
「な、なにっ!?」
「あの人、俺の叔母さん。」
「………は?」
その言葉に目を真ん丸くした。
この人何を言ってるんだ。
「うそだっ!だって無理無理無理!あの人叔母さんって感じじゃないじゃん!」
「いや感じするから。あ、……あ゛ーそっか棄てたんだっけ…」
唸るようにやっちまったーという紺野から一旦離れて、「ほい。」とそれを目の前に出す。
「…え?なんで??」
「持ってきた。」
ちょっと焦げ付いた、二冊の本。
紺野は本気で驚いたのか、目を見開いて「え?は?」としか言ってなかった。
にひひと笑うと、紺野ははっとした表情になって
「まさかあそこから取ったの!?」
「っう、わっ!ちがっ…くないけど!平気だったよ!」
ぐいっと掴まれた手を見られたくなくて慌てて振り払う。
み、見られてしまった…!
私のアホ!紺野絶対こういうの気にする人なのに!
「…ごめんっ……」
「なんで?私が勝手に取っただけだよっ?しかも…これ、私のために選んでくれたんでしょ?」
気にする必要はない。
だって本当に、全部私のせい。