ノンシュガーに夢中
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暁は今まで見たことのないくらいに集中して、手元にある本に目を走らせる。
…やべぇかなり暇。
読もうと思っていた本は全部読み終わってしまったし、じゃあ暁に構おうかと思ったら
予想外に暁が叔母さんの小説にハマりすぎた。
(うーん…)
ハマりすぎだろ暁。
俺のベッドの上で壁に背を付け体育座りをしながら本を読む暁は、完全に俺のことなんか忘れている。
絶対。
だって俺の呼び掛けに一切応えないし、ページを捲る指は止まらない。
…いや、うん。
いいんだけどね。
暁が本にハマんのは滅多にないことだし、すごい良いこと…だと思う、けどね。
でも…
「…。」
「…ふふっ……っえ!……むふふっっ…」
本を読みながら変な声を出すのはやめてほしい。
それに、あまりに暇すぎる。