ノンシュガーに夢中
「紺野」
「何?」
「本…読み終わったの?」
紺野を見つめながら訊くと、紺野は一度キョトンとしてから直ぐにふっと微笑んだ。
「うん、読み終わったよ。暁が寝てるうちに。」
「…ほんと?ってか…私どのくらい寝てた?」
「知らない。今6時過ぎだけど。」
「6時かぁ…。…。……え゛っっ?6時!?」
バッと起き上がって部屋の時計を確認すると…確かに時刻は午後6時を過ぎていた。
ちょっと待ってよ…!今日一日すごい無駄にしてる!
窓の外に目をやると、確かにもう空は暗い。星がいくつか煌めいているくらい。
「うっそぉ……」
「嘘じゃないけどね。」
「だよね…」
最悪だ私。
何彼氏と二人っきりのドキドキ最中に爆睡こいてんの。
いくら暇だったとはいえ、紺野をほったらかしにするなんて…!!
「ごめん紺野〜〜っっ」
「は?なにが?」
「私寝ちゃって…!紺野を置いて爆睡しちゃって…!時間無駄にしてごめんっ!」
頭を下げて、土下座でもしようかと思ったのに。
紺野にそれだけはやめて、と止められた。
そして頭に手を置かれる。
「寝てもいんだよ別に。俺も本読み終えたし暁は寝れたしで一石二鳥でしょ?」
「そう…?」
「そうそう。」
言い聞かせるように言った紺野の笑みにもう私はノックアウト。
取り敢えず紺野の意見に賛成しとけ!と脳から命令が出てる。
じゃあ、よかったってことだ。