ノンシュガーに夢中





ふぅっと安心して胸を撫で下ろすと、ふと、紺野の横にある一冊の本が目に止まった。




よいしょ、とベッドの上から手を伸ばしてそれを手にとって表紙を見る。



これ、さっきまで紺野が読んでた本だ。



「どしたの?興味あんのそれ」


「んーん、興味はあんまり。でも…これ、どんな内容だったの?」



珍しく本に関しての話題に少し驚いた様子の紺野は、嬉しそうにんー…と考えながら口を開く。




「普通に、推理小説。犯人に探偵が追い込まれるような話。」



推理小説かぁ…。


…私には無縁だな。




「紺野ってさ、恋愛ものって読まないの?」


「恋愛もの?」



そう聞いたのは、少しの興味。


恋愛ものならまだ私も読めるかもしれないし…ってゆうか、紺野が恋愛ものの小説を読んでるところって一度も見たことないなって気付いたから。



首を傾げて紺野を見ると、紺野は少し困ったような表情で私が持っていた本を取って、パラパラと捲り始める。

そして、小さく「読まない」と呟いた。




何で?と問えば


「…だってさ。恋愛小説って面白くねぇもん。大体結末一緒だし、現実的じゃないのばっかじゃん。」


「うわ、すごい否定的。」


「そりゃね。俺は好きじゃないのはあんまし読まないから」



…確かに紺野には恋愛小説って合わないかも。


紺野はやっぱりミステリーとか頭良さそうな小説が一番似合ってるような気がする。





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