素直に好きと言えなくて
〜第3音楽室〜
4時10分。
部活のが始まるのは3時50分。
まぁ遅刻なわけで。
私は息を切らしてドアを開けた。
ガラッ
「すみません、困っている
おばあちゃんを助けてました!!」
「この学校に老人はいないぞ!?」
私が言うとすぐさま先生から
答えが返ってくる。
もう日常茶飯事だ。
「事情は愛原から聞いている。
早く準備しなさい。」
「はい。」
返事をして華凜を見ると、
私を見て微笑んでくれている。
あぁ、あの目は何かおごれという目だ。
「揃ったから始めるぞー。
32小節からー。」
♪〜♪〜
私の準備が整うと、
すぐに演奏が始まる。
綺麗な音が、学校に響き渡った。