素直に好きと言えなくて
「よし、今日はここまで!!
帰り支度が出来たものから解散!!」
「「ありがとうございましたー!」」
夕方6時。
ほとんど休みなく演奏し、
少し疲れながら顧問に挨拶をして、
各自帰り支度を始めた。
「華凜、ありがとね。」
「約束、忘れないでくださいまし♪」
華凜にさっきの礼を言う。
やはりあの笑みは意味があったものだった。
「日曜日チーズケーキ買ってくる。」
チーズケーキは華凜の好物だ。
しかもちゃんとしたところで買ったものか、
私が作ったものしか食べない。
「今回は刹那が作ったものがいいですわ。
もちろん蓮の分もお忘れなく。」
「わかってる。」
作ってこいと言うのは珍しい。
作るの好きだからいいけど。
「支度はできました?
バスケ部に行きますわよ。」
「はーい。」
私は話しながら龍たちのもとへ向かった。