素直に好きと言えなくて



〜体育館〜


「やってるやってる♪」


体育館ではまだ、
ボールの跳ねる音と
シューズの音が響いている。


しかし、その音は二人分だ。


「龍ー、蓮ー、終わったよー。」


「・・・聞こえていませんわね。」


私がその音の主を呼ぶ。

彼らは部活が終わっても
私たちを待っている間
二人で自主練をしているのだ。


ただ熱中しているので
声をかけても聞こえないのが傷。
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