モノクロの音色よ鮮やかに響け
麻酔は局所だったので、貧血から少し回復した川畑は間もなく目を覚ました。
例えその瞼が開く事がなくても、じっと見つめていた私は川畑の雰囲気で、目覚めたのがわかった。
「川畑さん」
「あぁ…」
川畑が答えた事にホッとする。
「今、病室です。足にナイフのカケラが刺さってて、手術したんですよ。まだ手術着のままです。左腕に点滴がついてます。」
私は川畑に状況がわかるように、言葉を選びながら話した。
「ここは個室で、今は川畑さんと私だけです。枕元の、右側に看護師さんを呼ぶコードつきのボタンがあります。
看護師さんに、ご家族の連絡先を聞かれたんですが、わからなくて」
川畑は頷いた。
「テープとレコーダーを」
私は脈絡がわからないまま、それを川畑の右手へ持って行った。
例えその瞼が開く事がなくても、じっと見つめていた私は川畑の雰囲気で、目覚めたのがわかった。
「川畑さん」
「あぁ…」
川畑が答えた事にホッとする。
「今、病室です。足にナイフのカケラが刺さってて、手術したんですよ。まだ手術着のままです。左腕に点滴がついてます。」
私は川畑に状況がわかるように、言葉を選びながら話した。
「ここは個室で、今は川畑さんと私だけです。枕元の、右側に看護師さんを呼ぶコードつきのボタンがあります。
看護師さんに、ご家族の連絡先を聞かれたんですが、わからなくて」
川畑は頷いた。
「テープとレコーダーを」
私は脈絡がわからないまま、それを川畑の右手へ持って行った。