モノクロの音色よ鮮やかに響け
「俺の部屋だ」
毎日使っているだけあって埃っぽくはなかったが、川畑はここを寝る為と着替える為だけに使っているようだ。

電話の子機と、変わった形の目覚まし時計の他には、ゲストルーム並に物がなく、ベッドもきちんと整っていた。

川畑はスタスタと部屋の中に入ると、クローゼットの扉を横に引いて、一気に開けた。

ハンガーで高級そうな黒いジャケットやスーツがいくつも吊されていて、
衣装ケースならぬ、桐らしい木製の衣装引き出しが上から下までびっしりと並んでいた。
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