モノクロの音色よ鮮やかに響け
大滝さんに事の顛末を話すと、さも同情しているように
「そうだったの…大変だったわねぇ」
と言ったが、最後には
「病院に付き添いは構わないけれど、川畑さんに、家事じゃなくて身体介護の計算になるって、伝えておいてちょうだいね」
と言って、私はその声色から、大滝さんがお金の計算をして喜んでるのを感じて、なんだかガッカリしてしまった。

病室に戻って、電話の報告を川畑に伝えると、頷いただけだった。

看護師さんが様子を見に来て、点滴を取り替た。
私は気さくな感じの看護師さんと少し話して、川畑の父母の連絡先を知らせた。
入院期間を聞いてみると、経過によるが、二週間ほどになるようだ。
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